EMLについての雑記帳



このページでは、管理人の知る範囲で、EML(Electro Magnetic Launcher、電磁投射砲)についてご説明いたします。
ちなみに、サーマルガン以外はほとんど合法です。銃刀法違反には当たりません。



コイルガン



世界中でいろいろな方が制作されているもので、仕組みはいたって簡単です。

このように、空芯コイルにより発生した磁力で、強磁性体(鉄、ニッケル、フェライトなど)の飛翔体を飛ばす仕組みです。ほとんどの場合は、250V〜400Vのコンデンサなどを用い、一瞬だけ強い電流が流れるようにしている仕組みです。
でカーバッテリーで一瞬だけ電気を流す方式もあります。もちろん、速さ的には前者の方が圧倒的に有利です。

コイルガンの長所
・音が小さい
・小型化が可能
・消費電力が少ない
・入力エネルギーに応じて速度が調整できる。
・多段式にするのが容易なので、簡単に高速度が出せる。

短所
・撃ち手の方が危険。
・コイルが発熱するので、冷却が必要。
・単段コイルだと、音速突破が難しい。
・飛翔体が、磁性体に限られる
・チャージに時間がかかる。
音が小さいと言うのは、現代戦にとって大きなメリットです。ただ、2008年現在の技術では、わざわざ壊れやすくチャージに時間を取るコイルガンを使う必要性が見当たりません。同じ事をするなら、高速弾を使う銃器にサプレッサー(減音器)を付けるだけですむからです。
打ち手が危険なのは、高電圧源を利用するEML全般で言えることです。
コイルの発熱は、「よろ研式コイルガン戦車」ですら、二回の射撃で結構熱くなります。コイルガンの効率にかかわってくるので、何らかの対策が必要です。



レールガン



大電流を用いたローレンツ力によって、弾を飛ばすものです。

手抜き画像ですいません……
自作されている方は、あまり見かけません。それもそのはずです。かなり大きなコンデンサを使わなければならないうえ、レールは、プラズマなどの圧力に耐えるため、厚い鉄板などにボルトの穴をあけなければならなかったりと、いろいろ個人では難しいからでしょう。ちなみに、レールガンとコイルガンを間違えている人がたまにいます。そう言う人にはきちんと教えてあげた方がいいと思います。
レールガンの長所
・高速度が期待できる。(音速突破は容易)
・入力エネルギーに応じて速度が調整できる。
・飛翔体は、導体でなくてもよい(後ろに、導体を張り付けたりすればいい)

短所
・短時間に大電流を入力しなければならない。
・レールの摩擦熱や、ジュール熱で、飛翔体の一部がプラズマ化する恐れがある。
・レールが飛翔体との摩擦などで、痛みやすい。
・小型化が難しい。
速度は、入力される電流に比例するので、目的に応じて調節できます。
また、数十KJなんて言うものすごい充電エネルギーの場合、サーマルガンやコイルガン以上の威力が期待できます。ちなみに、アメリカ軍が艦載式のレールガンを開発中だとか。
大電流は、使い捨てカメラがどうのこうのなんてレベルではありません。数十KAというレベルです。
また、飛翔体が完全にプラズマ化しても、プラズマは導体としてローレンツ力を受けますので、砲身が密閉されていれば発射は可能です。



サーマルガン



これは、大電流による線爆発などのプラズマの圧力で、飛翔体を飛ばす装置です。

こちらは、前述の二つのEMLに比べ、制作が容易ですが…………銃刀法に引っ掛かる確率が高いです。理由をご説明いたします。
銃の仕組みは、皆さん分かるように、鉄の筒の中で火薬を爆発させ、その圧力(数千気圧)で弾が飛ぶわけです。だから鉄砲と言われる訳ですが。サーマルガンは、早い話が火薬とプラズマを変えただけです。
一般常識的には、サーマルガンは「火薬と金属をつめれば銃」になるはずです。電気着火式の。そう言う訳で公開してる人が少ないのかと思います。
サーマルガンの長所
・構造が単純。
・飛翔体の材質はあまり関係ない。(いくらか限定される)
・少ないエネルギーなら、コイルガン、レールガンよりも高効率。
・簡単に高速度が得られる

短所
・プラズマの飛散する速度以上の速さは出せない。(音速程度)
・銃刀法違反の疑いあり。(日本のみ)
・あまり重い飛翔体は発射できない。
・プラズマの圧力に耐えるため、装置を頑丈に作る必要がある。
などでしょうか。ちなみに、よくよく考えれば、千円くらいで作れそうな気がしないでもないですが………タイーホされたら困るので、作らないようにしましょう。
書くのを忘れましたが、何されても知りませんよ。





こんなもんで、EMLについての雑記帳を終わりにします。



実験室ニ戻ル

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